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2012年12月 6日 (木)

尊厳の芸術展

東京芸術大学美術館に「尊厳の芸術展」を見に行きました。
先月か先々月かNHKの「日曜美術館」を見て開催を知り
是非見たいと思っておりました。

太平洋戦争中、日系アメリカ人の強制収容所での
厳しい、先の見えない状況の中で
細かな生活用品や生活を彩る小物などを
手に入る材料で道具から手づくりしていた…
その精魂こめて拵えた品々が展示されています。
段ボールにガラスの粉をふきつけて作ったやすりで
磨きこんで作った杖や、小さなブローチ。
土を深く掘らないと出てこない
小さな貝殻を拾い集めて作った
小さな美しい装飾品など。


番組を見た時、頭に浮かんだのは
満足に着飾る事も出来ず
殺風景な景色に、簡単に作られた粗末な住居。
その中で女の人たちが小さな手を動かして
きれいな物を工夫して拵え、お互いに
「あら、きれいね」とか
「どうやっているの?ああ、こうやってしてるの、素敵。」とか
言いながらみんなで見せっこして
その時はちょっと笑ったりしながら
額を寄せて話し合っている所でした。
その美しさに打たれて
ちょっと涙が出てきてしまいました(また、妄想癖が^^;)


手を動かして自分の生活を
誰かの生活を豊かにできるものを作ったり
心を豊かにする事を手伝ったり
心地よくなる工夫を提供したりすることで
他の人が笑ってくれる事は自分の心も豊かになります。
わかっているけれど時々忘れてしまいます。
自分がしんどい時なんかは特に。
強制収容という特殊で過酷な状況で
そういうつながりや豊かになろうとする心を保ち続けられる
そんな人たちは本当に美しいなと思いました。


そしてそういった精神性はともかく
そのクォリティーの高さがまた。
上野に行く前に、食事をした両国で(ちゃんこですね)
お土産物屋で売っていた火打石すら
満足にチャキチャキできない我々は
ぽーんと鞄一つで砂漠に連れて来られて
時間だけはたくさんあっても道具一つない状況で
どこまで何が作れるかしらと、皆で自嘲気味に笑いながら
ちょっぴり考え込んでしまいました。
少なくとも、どんなときにも明るい冗談が話せる精神性だけは持ち続けようと……
う~む、どうやら精神性の軸がずれてきたみたいだぞ。

尊厳の芸術展「The Art of Gaman」
http://pid.nhk.or.jp/event/PPG0151561/index.html

東京での展示は今週末9日(日)までです。








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